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なぜ安くなるのか

電子ブレーカーとは

“電子式ブレーカー”や“デジタル式ブレーカー”と呼ばれることもある低圧電力(動力200V)の基本料金を、大幅に削減できるといわれている設備のことです。

ちなみに・・・。

「低圧電力」とは、商店、工場、マンションなどで、エレベーターやモーターなどの動力に使用するための電力です。商店や工場、マンションなどでモーターなどの動力を使用し、契約電力が原則として「50KW未満」の場合は、この「低圧電力」契約になっています。

つまり、「電子ブレーカー」は動力200V(低圧電力)に使用されるものであり、高圧電力の需給施設や一般家庭に使用されることはありません。

「電子ブレーカー」は、マンション共用部、工場、店舗、ガソリンスタンド、コインランドリーなどで使われている低圧電力(動力200V)の基本料金を、大幅に削減することができます。 

安くなる理由は電気料金の仕組みにあった

このブレーカーを使用することで、低圧電力の電気料金が安くなるのか、その仕組みを紹介しましょう。

低圧電力の基本料金の仕組み

低圧電力の基本料金の計算方法は以下のとおりで算出します。

「低圧電力の電気料金」=「基本料金」+「利用料金」
「基本料金」=「契約容量(KW)」×「基本料金単価(円)※」×「力率割引」
(※電力会社によって異なる)

低圧電力の契約プランとしては2種類のがあり、上記の計算式に含まれている、「契約容量(KW)」を決める方法については、平成8年度から、以下の2種類のプランから契約者が自由に選択できるようになりました。

  1. 負荷設備契約(従来からあるプラン)
    動力(200V)機械設備の容量を総合計(KW)し、それを契約容量とする契約方法です。契約容量は、機械の稼動頻度や、使用電力量などに関わらず、設備容量の合計(最大値)となります。ですからその分、電気代の基本料金が高くなってしまいます。
  2. 主開閉器契約(ブレーカー契約・新しいプラン)
    動力(200V)機械設備の容量に関わらず、実際の機械稼動時に流れる電流値を元にし、ブレーカーの大きさにより契約容量を決めます。それにより、(1)の負荷設備契約よりも契約容量を、小さくすることができます。その分、電気代の基本料金が安くなります。

低圧電力の電気基本料金を安くする?

マンション、工場、店舗などの動力設備が同じで、稼動頻度、電力使用量も同じとして、低圧電力の基本料金を比較すると、負荷設備契約より主開閉器契約の方が安くなります。

しかし、低圧電力の利用者のほとんどは、従来からあった負荷設備契約のまま利用しているという現状があるようです。低圧電力の契約内容を「負荷設備契約」から「主開閉器契約」に変更し、基本料金の元になる基本契約数を小さくすることで、基本料金を安くすることができます。

また、現実的な問題として、契約容量の電流値をどこまで下げていいかは、契約容量を下げることでブレーカーが落ちるのではないかという点に、不安が残るのではないでしょうか。そこで、「電子ブレーカー」が開発されたのです。

電気料金が安くなる理由と注意点

ブレーカーとは具体的にどのような機能をもったものなのか、一般的なブレーカーと比較して解説します。

ブレーカーと電子ブレーカーの違い

  • 一般的ブレーカー
    一般的なブレーカーは、その許容範囲以上に電流が流れるときに、電流を遮断し、設備や配線などを保護する機能をもっており、どれだけの電流が流れたら、何分何秒以内に遮断させなければならないという基準がJIS規格にて定められています。これは、熱伝導式ブレーカーというもので、過電流発生熱で電流を遮断する仕組みです。
  • 電子ブレーカー
    電子ブレーカーは熱伝導式ではなく、電流値をデジタル数値で感知します。ブレーカーの動作をコンピューター制御し、JIS規格の許容範囲最大まで使用できるようにプログラミングされています。急激な電流が流れても瞬時に電力を遮断するのではなく、電流の強さと時間を監視し、規定時間以内であればブレーカーが落ちないようにすることができます。
     

使用するメリットとは? 

上記で説明したように、電子ブレーカーは一般のブレーカーより、一定の時間以内ならば、より多くの電流を流せることになります。たとえば、短時間でON/OFFするような負荷変動が大きい機器の場合には、一時的に定格電流を超えても短い時間で、定格電流以下に戻りますので、電気が落ちなくて済むようになります。

平成8年度に、主開閉器契約(ブレーカー契約)が認められるようになってからは、実際のピーク電力を測定し、多少の許容量を保たせた契約容量に切り替えることができるようになりました。そして、短時間のピーク超過では落ちない、最大電力消費を監視し制御できる「電子ブレーカー」という製品が登場したことで、安全に契約容量を切り替えて、電気基本料金を大幅に安くできるようになったわけです。しかし、電力の契約容量は、契約状況、機械の稼動状況、電気の使用状況など、電力の使用量は契約者によって異なりますので、正確な調査と綿密なデータに裏づけされたノウハウによって、安全な容量を決めることが大事です。

この機器を販売する会社では、こうした安全な契約容量をお客さまに対して、調査した上で提案をしています。それにより、現在、電力会社に支払っている電気料金と、導入後を比べて、効果がある場合には検討しても良いのではないのでしょうか。

近年は、こうした電子ブレーカーの優れたシステムに目をつけた悪質業者が、粗悪なブレーカーを営業しているケースが場合がありますので十分に注意することが大切です。